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識別(Identification)

識別(Identification)とは、利用者・端末・サービスなどを、IDや属性によって他の対象と区別することです。ログインでは、ユーザー名やメールアドレスを入力して「どのアカウントを使うか」を示す操作が例になります。識別できたことだけで、操作している人が本人だと確認できるわけではありません。

識別・認証・認可の違い

  • 識別:どの利用者・アカウントかを特定する。例:社員IDを入力する。

  • 認証:そのアカウントを使う正当な主体かを確認する。例:パスキーなどでログインする。

  • 認可:対象に対して、どの操作を許可するかを判断する。例:自分の申請書は編集できるが、他部署の申請書は閲覧できない。

この3つは役割が異なります。ログインに成功しても、すべてのデータへのアクセスが許されるわけではありません。権限の考え方は認可(Authorization)の解説で詳しく説明しています。

業務システムでの具体例

経費精算システムに社員番号でログインする場面を考えます。社員番号で利用するアカウントを識別し、認証手段で利用者を確認します。その後、一般社員には自分の経費登録、上長には担当部門の承認というように、操作ごとに権限を確認します。システム間連携では、人のアカウントとは別にサービス用のIDを識別します。

企業が確認したい運用上のポイント

  • IDと担当者の対応を保つ:同姓同名やメールアドレス変更があっても、過去の操作記録を正しい利用者と結び付けられるようにします。

  • 共有IDを安易に使わない:誰が操作したか追いにくくなります。共用が必要な場合も、利用者と利用時間を別途記録する方法を検討します。

  • 異動・退職時に見直す:IDの有効状態だけでなく、所属や権限も更新します。

  • ログに識別情報を残す:時刻、主体、対象、操作、結果を関連付けると、不審な操作を調査しやすくなります。

ログ調査との関係

同じ人が複数のサービスを使う環境では、サービスごとのIDと利用者の対応が調査の手掛かりになります。ログをまとめて確認する仕組みを検討している方は、ヤグラ AI SIEMのログ分析サービスをご覧ください。

参考:NIST CSRC Glossary:Identification。識別の定義は分野によって異なるため、本ページでは主に業務システムのアクセス管理を例に説明しています。